桐谷さんが、自分は”元”プロ棋士ではなくて、歴としたプロ棋士であるとアピールしていましたが、
将棋界のこの制度はかなり紛らわしく、一般的なイメージだと誤解を招きます。
年齢に関係なく、成績が落ち込んだプロ棋士が所定の条件を満たすと強制的に”引退”となり、
以降は公式戦へ出場することができなくなります。
しかし、
引退=プロ棋士ではなくなる
という意味ではないというのがややこしいところで、
引退しても、日本将棋連盟に所属し続ける限りは”プロ棋士”という身分が維持されるのです。
引退して公式戦に出場できなくなった後も、
タイトル戦の立会人やイベント出演、指導対局など、
日本将棋連盟を介した仕事をできる身分としての”プロ棋士”ではあり続けます。
つまり、”現役の”プロ棋士と、”引退した”プロ棋士が存在し、
桐谷さんは後者に当たるという訳です。
引退して、更に日本将棋連盟からも退会してしまえば、
正真正銘の”元”プロ棋士という肩書きになりますが、そういう例はほとんど無いと思います。