時の人となった金足農の吉田投手が、甲子園を去る際に、
「ジャイアンツが好きで、ジャイアンツに行きたい」とのコメントを残したそうです。
秋田ではジャイアンツ戦しか中継されていないので、半ば必然的にジャイアンツファンになってしまう、
なんて20年前ならいざ知らず、今時そんなことはあり得ませんが、意外な発言でした。
雑談風の気軽なコメントだったのだろうと想像しますが、
自分の影響力を認識して、これからは慎重に言葉を選んだ方がいいと思われます。
ドラフトと言えば、ジャイアンツ入団を切望して、他球団からの指名を拒否するというケースが何度も繰り返されてきましたが、
自分の将来を左右する就職先を選んでいるとは思えない、論外の愚行としか形容できません。
子供の頃からの憧れの球団だから、ファンだからという理由のみで就職先を選択するというのは、
いくら野球に全てをかけてきた世間知らずとは言え、あまりにお粗末だと思います。
親や監督などは、何のために側にいるのでしょうか。
滑稽なケースでは、親戚が監督だからということでジャイアンツを切望したものの、その監督は数年後に辞任。
当の本人は、切望した球団の環境では実力を発揮できずに成績は振るわず、
移籍した後になって、初めてのびのびとプレーして結果を残したという選手がいました。
私がプロ野球を見ていた頃、ジャイアンツは野球選手にとって一番のブラック企業だと思っていました。
監督を務めている伝説的な元名選手は、不可解な起用を繰り返して選手の伸びる芽を摘み、
球団は毎年のように実績のある選手を他球団からかき集めます。
生え抜きの若手が、鍛えて這い上がっていく環境としては最悪です。
分別のあるアマチュア選手であれば、むしろ「ジャイアンツからの指名だけは断固拒否」したとしても不思議とは言えません。
マウンド上ではクレバーな投球を披露した吉田投手。
まさか脈々と続く愚行の歴史を繰り返したりはしないと思いますが、ドラフトの行方を見守りたいと思います。
高校生にもなれば、特に自分の人生を左右するような事項に関しては、適切な思慮分別を身につけているべきだと私は考えます。
未成年だった場合、過保護なまでに法律に守られて甘やかされますが、
私に言わせれば、生物として成熟して繁殖能を備えれば成人であり、自分の言動に一切の責任を持つべきです。
その年齢で責任を持たせるのが適切かどうかを議論する気は毛頭無くて、
適切であろうがなかろうが、持たなければならないものだと思っています。