大谷投手が、肘という深刻な部位を故障してしまいました。
やはり、過剰に力んでいる全力投球が原因だと思います。
現実的には、大いに力んで投げた場合と、リリースの時だけに力を集中した場合で球速はさほど変わらず、
球質はむしろ後者の方が優れているくらいではないでしょうか。
しかしながら、「力まない方がいい」という理屈は至極単純でわかりやすいのにも関わらず、
それを実行するのは非常に難しいというのも、経験上よくわかります。
これまでにプロ野球で色んな投手を見てきましたが、
明らかに力感のある投球フォームで、息長く活躍した例は皆無だという印象があります。
長くても5-6年で故障してしまい、長い治療を経て復帰しても球威は戻らず、さりとてモデルチェンジもできず、
もがいて消えていくというのが通例ではないでしょうか。
一方で、例えばドラゴンズの岩瀬投手は、力みなく理にかなった理想的なフォームだと思いますが、
本格派の投球スタイルで、しかも長年酷使されたにも関わらず、長い現役生活を全うできています。
力まない投球スタイルについては、誰にでもものにできる訳ではないと思いますが、
大谷投手には可能なのではないかと思います。
恵まれた体格もありますので、現在のフォームのままで、
リリース時の指先のみに力を入れるイメージをキープできれば、キレが良く打たれにくい球が行く筈です。
全盛期の藤川球児投手も、変な力みはないフォームから、伝説的なストレートを投げていたと思いますが、
確か、手術を要するような肘や肩の深刻な故障はしていないのではないかと思います。