新NISAは、預貯金を投資へ回すのが目的とされています。
その結果として、
1、投資資金で経済を活性化する
というのが建前ですが、実際には、
2、国民に泥舟(年金)以外の航海手段を自前で用意させる
という方がメインだと思います。
新NISAによって流入するであろう資金の相当部分が、オルカンやS&P500で海外へ流れることについては、
1の目的にはそぐわない訳ですが、
逆に2の場合は、”国民が外貨を稼いできて自活の足しにする”という点において、
政府にとっても、国民自身にとっても、悪くない流れではないでしょうか。
話は変わりますが、先日、面白い解説を読みました。
新NISAをきっかけとして、国民の預貯金がめでたく投資に回った場合でも、
その額が非常に大きくなると、深刻な問題が生じてくるというのです。
それは国債を発行できなくなること。
国債発行の拠り所は国民の巨額な預貯金であって、
だからこそデフォルトの危険が少なく、債務超過状態でも安穏としていられる訳です。
しかし、その預貯金がごっそり投資に回ってしまうと困ります。
投資に回した分からの新たな税収があればいいですが、
そもそもNISAですし、更には主投資先が海外なので、直接的にも間接的にも税収増には繋がりません。
おそらくは杞憂でしょうが、皆が新NISAへ走りすぎるのもいけないということで、
無関心を貫き、泥舟と運命を共にして、粛々と国債を買い支えてくれる人達に感謝しないといけません。