三太夫の「おれのいうことは正しい」

「株式投資」「将棋」「動物」をこよなく愛する頑固なひねくれ者の悠々自適な晴耕雨読生活

ついに八冠


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今回の王座戦

永瀬王座は周到な準備をぶつけることで、全4局どれも土俵際まで押し込みました。

先の竜王戦第1局に代表されるような、いわゆる「藤井曲線」で圧倒される内容ではなく、

終盤の紙一重での決着ばかりだった点は、これまでの藤井竜王名人のタイトル戦とは少し違っています。

無論、この「紙一重」が非常に大きいのでしょうが……。

 

いずれにしても、これから藤井八冠に挑戦する棋士は、

今回の永瀬王座のような、渾身の事前準備が義務付けられることになります。

羽生九段が七冠になった後は、谷川九段の巻き返しがあったり、

羽生世代のライバルが斬り込んだりと、必ずしも一強ではない勢力図でした。

 

もし今後、このまま藤井八冠の絶対一強が長期間続いてしまうと、

本人のモチベーション然り、観る将側の興味然り、

将棋界にとっては望ましくない状況になりかねません。

八冠という空前絶後の偉業は、皮肉にも危機的な展開の幕開けとも言えそうです。

 

因みに、「八冠になってスケジュールが過密に」という話がありますが、

実際には、必ずしもそうとは限りません。

タイトル保持者は、予選を戦う必要がなくなるからです。

これまでは、悉く予選を勝ち抜いてタイトル戦に進出していた藤井八冠なので、

今後防衛戦がひっきりなしに続くとしても、予選が無い分だけ対局数は減ることになります。

 

羽生九段の七冠は、「王将」奪取で達成して、「棋聖」失冠で途切れたので、

その間に防衛したのは、王将戦と同時並行していた「棋王」と、春の「名人」のみでした。

藤井八冠の場合はどうなるでしょうか。

まずは、竜王戦での伊藤匠七段の捲土重来を期待しましょう。