ポートフォリオは指数の倍は下がりましたが、
あおぞら銀行 (8304)の下落は一息ついているので、良しとしましょう。
あっという間に涼しくなってしまい、セミに代わって、日が落ちてからは虫が鳴き始めています。
暑いのが好きで、猛暑でも全然平気とはいいながら、涼しい方が過ごしやすいのも確かです。
しかし、去り行く夏の後ろ姿を見送るこの時期は、毎年鬱になります。
その夏の終わりを象徴するのが、佳境となっている甲子園。
今日は準決勝が行われましたが、金足農を決勝へ導いた吉田輝星投手、
相手に傾きかけた流れを今一度我が手に手繰り寄せる、その力強さが出色です。
日大三との準決勝で、9回表の金足農の攻撃は、この試合初めての三者凡退であっさりと終わってしまいました。
明らかに、直前の8回裏にヒット3本を集めて1点を返した日大三の流れになっています。
そして迎えた9回裏の日大三の攻撃。
一死後の投手ゴロを一塁手も取りに行ってしまい、吉田投手が処理するも一塁がガラ空きで内野安打に。
これはすごく嫌なプレーで、日大三への流れを象徴しているように見えました。
そして次の打者は、その流れに乗るように、鬼気迫る表情で三塁強襲のヒット。
普通の高校、普通の投手であれば、この日大三の勢いを止めることはできなかったと思います。
龍谷大平安や下関国際は、同じような終盤の競り合いで日大三に敗れていました。
しかしながら、吉田投手は一死一・二塁から後続を抑え、見事に日大三の勢いを断ち切ったのです。
最後のセンターフライの捕球がかなり危なかったのは、
吉田投手によって断絶された、日大三への流れの後ろ髪たる浜風の影響だったのでしょうか……。
吉田投手の「ギアの調節」という高校生離れした投球術が話題になっていますが、確かに卓越していると思います。
普通の投手がやると、ギアを下げた時のレベルがままならないのが関の山ですが、
彼の場合、確かに力を抜いているのにも関わらず、球のキレ(回転)はそれほど落ちていません。
しかも制球力もキープできているので、打者からすると、ギアを下げてもらってた恩恵があまり感じられないかもしれません。
しかしそうは言いながら、ギアを最大限に上げた時の投球は明らかに別物です。
これも、並の投手がやると単に力んだだけになり、スピードガンの数字は上がるかもしれませんが、
球質や制球はかえって悪くなってしまうことがほとんどです。
しかし彼の場合、制球力を保ったまま、球速と回転数を更に上げています。
藤川球児投手の、ストレートと分かっていても当たらないホップする球筋が引き合いに出されるのも、さもありなん。
しかもそこに気迫を乗せてくるので、打者は圧倒されるしかありません。
名だたる強豪校の打者に、「あんな球は見たことがない」と言わしめるのは相当だと思います。
明日はいよいよ決勝ですが、大阪桐蔭打線と吉田投手の対戦については、
吉田投手のコンディションが一番良い時に実現して欲しかったと思っているファンが多いのでは。
一方的な展開になってしまう可能性が高いのは否めませんが、
これまでの吉田投手を見ていると、まだ底知れぬ力を秘めていて、
「もしかしたら」と期待するのも、あながち夢物語ではないような気がします。