今年もスキー女子ジャンプのW杯が行われています。
昨年でスロベニアのロゲリ選手が引退しましたが、
ドイツのフォークト選手や、オーストリアのイラシコ・シュトルツ選手もいつの間にか見なくなったので、
おそらく一線を退いたのでしょうか。
今季好調で総合1位を走っているオーストリアのピンケルニッヒ選手ですが、
底抜けに社交的で人柄が抜群にいいことが中継映像からもよく伝わってきます。
先日、今季何度も優勝しているノルウェイのオップセット選手が、
2回目に進めないという信じられない失敗ジャンプになったことがありました。
そのジャンプ台の形状との相性が絶望的に悪かったようなのですが、
それにしても、実力者からしたら屈辱的な結果です。
中継では、悔し涙を流すオップセット選手が大写しにされていたのですが、
そこにピンケルニッヒ選手が割って入り、カメラのレンズを軽くコンコンと叩きました。
そして、たしなめるようにカメラマンに一言二言声をかけた上で、
「代わりに自分を」と促すように、おもむろにしゃがんで靴紐を整え始めたのです。
更に、カメラに笑顔で手を振るなどして、気まずい感じにならないようにしていました。
なかなか見事な振る舞いです。
咎められたカメラマンも、フォローによって、さほど嫌な気分にはならなかったのではないでしょうか。
ベテランであるピンケルニッヒ選手にとって、オップセット選手は他国の若手ライバルなのですが、
同じように、どの国の選手にも分け隔てなく気さくに接している様子をよく見かけます。
冬スポーツの中で、スキー女子ジャンプだけがほぼ全試合中継されているのは、
おそらく、以前の無双状態の高梨選手がきっかけだと思います。
しかし、最近の日本勢の結果を鑑みると、いつ中継がなくなっても不思議ではありません。
それほど本腰を入れて観ている訳ではありませんが、中継がなくなってしまうと少し寂しい気がします。