大きな駒を実際に動かす「大盤」で棋士が解説している様子を撮影し、
それを両脇にあるスクリーンに映し出していました。
会場の後ろの方まで見えるようにとの配慮だと思いますが、この方法はちょっと滑稽な気がします。
5月に名古屋で行われた名人戦の大盤解説では、大きなスクリーンに将棋ソフトの盤面を映し、
その前に棋士が立って解説を行っていました。
舞台袖には奨励会員がパソコン操作を担当しており、解説の言葉に従って駒を動かしていきます。
このシステムは画期的だと思いました。
ソフト上で駒を動かすのでスムーズですし、
どんな変化手順を説明したとしても、現局面への復帰は一瞬で完了します。
因みに、対局場の映像と実際の盤面図も、それぞれ小さなウィンドウで同じスクリーン上に表示されていました。
これまで、東海地方での大盤解説で使用されていた盤面は結構巨大なので(たたみ2畳分くらい?)、
比較的見やすい部類だったとは思いますが(反面、動かす棋士は大変そう)、
他の会場のケースを見ると、盤面が座布団くらいの大きさしかないものもあって、
あれでは後ろの人は全く見えないと思います。
今回の王位戦では、せっかくプロジェクタとスクリーンを用意したのに、
何故ソフトの画面で操作する方式にしなかったのでしょうか。
実際に現地に足を運んだ件の名人戦については、運営について文句が山ほどありましたが、
この大盤解説スタイルだけはすこぶる高評価でした。
大盤解説会は、一番大切なファンサービスの一つでしょうから、
運営側は真剣に考えて、最良の方法を採用して欲しいと思います。