私の座右の銘は、「備えあれば憂いなし」と「人のふり見て我がふり直せ」の二つです。
座右の銘としてのこの言葉ありき、という訳ではなく、
私の行動指針を客観的に省みた結果として、この二つがよく当てはまっています。
「備えあれば憂いなし」
常に慎重派で、手堅い思考を好みます。
何事も綿密に計画を立て、更にその計画を上回る進捗の達成を目指すのが常。
企業でいうと、相当に保守的な業績予想を出しておき、実際の業績発表に際して上方修正していくタイプです。
「人のふり見て我がふり直せ」
他人から何らかのことを学んで自分に活かそうとする場合、「教師」よりも「反面教師」の方が有用だと思っています。
絶対数も後者の方が圧倒的に多いですし、
他人のいいところを真似るよりも、悪いところを真似ないようにする方が容易であることが多いからです。
例えば、仕事で他人のプレゼンの聴衆になってみると、
用意した原稿を棒読みして、ポインタを使っての視線誘導が一切無いプレゼンがどれだけ分かりにくいか痛感します。
前のスライドで提示した情報が、現在のスライド内に再掲されていないため、主張内容についていけないことも多々あります。
いざ自分が演者に回った時に、話術がうまいプレゼンを真似るのは困難ですが、
聴衆だった時に自分が分かりにくいと思ったポイントを潰していくのは、目標が明確なので比較的実行し易い筈です。
自分がされて嫌なことは人にもしない、というのも典型的な反面教師。
自分が店員だったとして、客に横柄な態度を取られたらどう感じるか。
親切で電車の席を譲ろうと申し出たのに、逆に不快感を表されたらどう感じるか。
反面教師の材料には事欠きません。
こちらの必死の愛想笑いにも気づかずに、くだらない話を長々と続ける人がいますが、
そういう人に限って、向こうの気が向かない時にこちらから話しかけると、遠慮なく不機嫌になりがちです。
与党の時は衆議院再可決権を行使するくせに、野党に回ると口角泡を飛ばしてそれを糾弾するなど、
言動がブレブレなのも、甚だみっともありません。
立派な人間にはならないまでも、見苦しい人間にはならないようにしたいものです。