三太夫の「おれのいうことは正しい」

「株式投資」「将棋」「動物」をこよなく愛する頑固なひねくれ者の悠々自適な晴耕雨読生活

ヒアリ考


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先日、テレビでヒアリについて紹介した番組を観ました。

 

これまでの報道をなんとなく聞いていた限りでは、刺された場合に被害が出るということで騒いでいるという印象でした。

これだと、20年くらい前に話題になったセアカゴケグモの時を思い出します。

その時も同じことを考えましたが、今回も個人的な感想としては、

有毒な生物として昔から身近にいるスズメバチマムシ等は差し置いて、

ヒアリだけを殊更騒ぎ立てる理由があるのかどうか(騒いでナンボのワイドショー的なレベルのネタなのではないか)と、

訝しく感じていました。

 

しかし、その番組で紹介されたところによると、ヒアリは人間の社会に深刻な被害を与える重大な存在であるようです。

オーストラリアでは、既に定着してしまった一つの都市から国内に拡散するのを防ぐべく、

かなりの国費を投じて対策を打っている様子でした。

 

ヒアリの影響は、まず農業に対して及びます。

根をかじるといった農作物への直接的な被害に加え、アブラムシと共生関係にあるようで、

アブラムシの分泌液から栄養をもらい、アブラムシの天敵であるテントウムシを排除してあげることによって、

両者が共闘してしまいます。

また、ヒアリが混入している可能性のある農作物は出荷できなくなりますので、

その対策としての洗浄や検査のためにも、手間と費用が必要になります。

 

また農業以外でも、電気の基盤をショートさせてしまうこともあるとか。

 

これだけの要素があると、ヒアリの影響はセアカゴケグモの比ではないという気がします。

元々の生息地であるアマゾンには、他のアリを含めた競合者や天敵がいるため、

ヒアリの繁殖がある程度限定されますが、それらがいない地域では爆発的に増えてしまう可能性があります。

 

駆除については、ヒアリに卵を産みつけて寄生するノミバエ(通称ゾンビバエ)を利用する研究が行われているそう。

ヒアリ1匹ずつに卵を産みつけるので、駆除の効率が悪いような気がするのですが、

ヒアリ1匹から生まれたノミバエ1匹が、次には数十匹のヒアリに卵を産んでいけば、それなりに数は減っていくでしょうか。

それでも女王アリを叩かないことには、ヒアリ総数の増減としてはイタチごっこになってしまいそうです。

女王アリの口に入ると不妊になる毒入り餌も紹介されていたので、個人的には、それを大量にばらまくのが一番効果的な気がしました。

働きアリが毒入り餌を巣に持ち帰って、それが女王アリの口にまで届く可能性が高くないのかもしれませんが。

 

日本にとっては、まだ「水際の攻防」と言えそうな今のうちに徹底的な対策をとっておくのが肝心でしょう。

また、世間の話題に乗ってぎゃあぎゃあ騒ぐのが大好きなだけの国民に対して、

正しい知識を辛抱強く啓蒙していくことも肝要だと思います。