リスクを避けようとして何も投資行動をしていない人は、図らずも別のリスクに晒されているとよく言われます。
一つは「持たざるリスク」。
これは完全に手数料ビジネス側の詭弁であって、
それに踊らされて「持たざるリスク」を避けようとした人は、
ごくありふれた「株式投資の基本的なリスク」をまともに喰らう可能性が濃厚です。
だいたいこの言葉が出てくるのは、高値水準にありながら先高期待を煽る場面。
リーマンショックで大暴落していた場面で「機会損失という持たざる(買わざる)リスク」を説いていた人がいたとはとても思えませんが、
むしろ、こういう阿鼻叫喚の局面にある時には、この言葉に真実味が加わるのでは。
もう一つは「インフレリスク」。
こちらの方は、その本質的な影響力を正確に把握できていないものの、
「持たざるリスク」とは違って、確実に存在するものだと思います。
緩やかなインフレによる現金価値の減損と、ベネズエラのような極端なインフレによる混乱。
これらの被害に対する備えとして投資行動をした方が良いというのは、ある程度理に叶っていると思います。
少し話は違いますが、
「株式投資をすることで自分の現金が経済の循環に乗り、有意義な機能を果たすようになる」というお題目については、
イマイチ理解が及ばず、うまく想像することができません。
マクロ経済を勉強すれば理解できるようになるのかもしれませんが、
心の何処かで、これも証券会社等の詭弁である可能性を疑っていたりします。