三太夫の「おれのいうことは正しい」

「株式投資」「将棋」「動物」をこよなく愛する頑固なひねくれ者の悠々自適な晴耕雨読生活

首輪を引かれて泥舟へ


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知識に欠ける人にとっては、「お金」の価値は時間軸と関係なく不変であるようです。

しかし、一番よく語られる例でいうと、インフレが進行すれば現金は目減りしてしまいます。

 

また、インフレの影響は無視したとしても、

1年後の100万円より今日の100万円の方が価値があるという考えもあります。

1年後の100万円は、当然1年後のその時点で100万円の価値ですが、

現在100万円持っていたとすれば、今後1年の間に運用して利益を出せるからです。

 

この考えに基づくと、とにかく支払いは先送りにした方が得という主張になります。

税金にしろ、保険料にしろ、一括で先払いしてしまうのではなく、

できるだけ支払う時期を遅らせて、その分で運用することによって利益を出すべきだと。

 

これについては、理論だけが頭でっかちになっており、個人的には実践的でないと感じます。

私は、払えるものはとにかく先に払って、一括先払い割引を享受することに努めています。

 

一方でもう一つ、時間軸の影響を考えたい「お金」は、年金です。

現役時代に収めて、老後に受け取ろうという訳ですが、

支払いから受け取りまで、長い年月のラグがあることで生じ得るインフレの影響を小さくできるのはまあいいとしても、

体力と気力ともに充実している現役時代にお金を拘束され、

全てが衰えた老年期に受け取るという仕組みについて、私は割に合っているとは思えません。

 

支給開始年齢がどんどん上げられようとしていますが、

現役時代に失ったお金を70歳だか80歳だかで受け取って、それを有意義に使える人がどれくらいいるでしょうか。

チャーム・ケア・コーポレーション (6062)や、ウチヤマホールディングス (6059)の売上に貢献してくれるのなら大歓迎ですが。

私に関しては、そんな年齢で受け取るお金の価値はほぼゼロです。

 

「年金は絶対に破綻しない」という詭弁もよく聞かれますが、「破綻」の意味を都合良くすり替えてごまかしているだけだと思います。

そもそも、他の財源をしこたま投入しないと立ち行かなくなっている時点で、破綻しているというべきではないでしょうか。

人生観は十人十色ですから、現行のような年金の仕組みが存在し、望む人が加入するのは構いませんが、

加入するかどうかは個人の自由であるべきです。

強制的に泥舟に乗船させられるのは、たまったものではありません。