先日のニュースで、あおぞら銀行 (8304)のとある支店が現金の取り扱いを完全にやめることにしたと報じられていました。
元々、富裕層の資産運用相談を主たる業務にしている支店だったようなので、大きな影響は無さそうですが、
業績(配当)を「伸ばして」とは言わないので、なんとか維持してくれるように祈っています。
日本の金融ビジネスでは、「手数料から収益を得るモデル」になっているのが、利用者にとっての不利益の諸悪の根源になっているとのこと。
手数料は取引ごとに生じるため、必ずしも「顧客の資産を殖やすこと」が収益につながる訳ではなく、
「頻繁に売買させること」が主目的になってしまうからです。
私の大嫌いな「つなぎ売り」などは、証券会社にとってはドル箱の収益源になっているのでしょう。
ホームページでは、つなぎ売りをけしかける特集を見ない季節はありません。
一方で、超富裕層が利用するプライベートバンカーでは、預かり資産残高に応じた報酬体系になっていることがあり、
利用者とバンカーの望む方向がかなり一致しているケースがあるようです。
「運用した結果の純利益」の何割かを報酬にするというのが一番かっこいいですが、
これはさすがに現実的には難しいのかもしれません。
いずれにしても、日本の金融ビジネスの場合は、
利用者と金融業者、それぞれのベクトルが作る角度が90度以内に収まっているかどうかも怪しいのではないでしょうか。
90度を超えているということは、両者の利害が相反しているということですが、
だとすると、相当にアコギなビジネスとしか言えません。
私はあおぞら銀行の顧客ではないので、事業の内容がアコギでも構わないと言えば構わないのですが、
もし金融リテラシーの低いお得意様が少なくなってしまった場合には、事業が立ち行かなくなってしまいそうで心配です。