三太夫の「おれのいうことは正しい」

「株式投資」「将棋」「動物」をこよなく愛する頑固なひねくれ者の悠々自適な晴耕雨読生活

珠玉の名作「横山三国志」


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現在、図書館で借りて、「横山三国志」を何十年ぶりかに復習しています。

 

実家にはコミックス全60巻が揃っているのですが、今は我慢してぼろぼろで汚い図書館本を。

公共のものを大切に扱えない精神には、すごく腹が立ちます。

 

さて、ネット上でも紹介されていますが、

新しい版では、時代に即してセリフ等に修正が加えられているみたいです。

 

本ブログのタイトルに拝借していますが、私が一番好きな曹操の一番好きなシーン、

「おれのいうことは……」のセリフを言うコマは、ほぼ1ページを使った上半身のアップだったと記憶していますが、

今回読んだ版では、馬に乗った全身の引き図になっていました。

あのアップのコマにどんな問題があって変更になったのか、詳細が気になります。

 

昨年チンギスハーンを読んだ時には、セリフの中に間違いがよくあることに気がつきました。

これは三国志でも見られますので、横山漫画の特色のひとつ(!?)と言えそうです。

突然、劉備関羽に対して他人行儀な口ぶりになったりするのは、違和感たっぷりです。

 

また、顔の描き間違いも結構あります。

チンギスハーンでは、チンギスハーンの口髭が急に無くなって「これ誰?」という箇所がありましたが、

三国志でも、曹操が突然劉備のようなくりっとした「主人公目」になってしまうシーンが。

 

また、孫策に攻められた王朗に献策したが受け入れられず、

意味深なセリフを残して王朗のもとを去っていった「仲翔」のシーン。

これがその後の伏線になるのかと思いきや、「仲翔」は二度と出てきません。

「仲翔」とは字なので、正確には「虞翻」としては姿が出てきます。

ただし、「虞翻」という名前自体は、横山三国志では出てこなかったような気もしますし、活躍するシーンもありませんでした。

何故、初登場時に字で「仲翔」としたのか、何故、重要人物風に見える意味深なシーンにしたのか。

執筆当時の作者の意向がちょっと気になります。

 

間隔を空けて登場すると、顔が別人になっているというのもお約束で、

そこまで厳密なプロットは作らずに描いていったのだと思われます。

 

現代の漫画であるキングダムは緻密なプロットがありそうなので、笑ってしまうような矛盾は無いと思いますが、

これは作者の違いだけではなく、時代の違いも原因として大きいのかもしれません。