最近話題になっている(らしい)「池の水を抜く」番組を観ました。
私は、幼い頃からザリガニやカエルやらを追いかけ回して育ちましたが、今でもその興味は全く薄れていません。
もし近所で池の水を抜くことになって、ボランティア参加者を募集していたら絶対に応募すると思います。
そんな訳で、番組中の生物の映像そのものは楽しめたのですが、
それ以外ではよろしくない点が噴出していて、総合的には極めて低俗なレベルに仕上がっていました。
例によって、何の必要性もない芸能人が邪魔です。
この分野に興味がある芸能人ならまだ許容できるかもしれませんが、
コイを見て、それと判断できないような人が適任だとは思えません。
”いかにも頭の悪い人が作りました臭”がプンプンする編集も。
「心無い人が放した1匹のライギョが1万匹に……」、絶句です。
この「ライギョ1万匹」というのを連呼して煽っていましたが、
この発言は専門家の正式な見積もりではなくて、池の管理者のおじさんの(根拠のない軽い)予想でした。
更に、このおじさんは「小さいのも含めて”外来種”が1万匹」という意味で発言しており、
それがブルーギルなども合わせた数であるのは明らかです。
また、「極悪」だの「凶悪」だのという煽り文句もそこかしこに散りばめられていましたが、
言うまでもなく、極悪非道なのは外来種を無責任に放した人間であって、ライギョに罪はありません。
一方で、在来種信奉に基づいて外来種を悉く殺戮するという行動にも、何か腑に落ちない感じが。
おごりたかぶっている人間様だって基本的には生態系の一部なのですから、
その行為の結果として起こった生物の移動も、自然の成り行きとして受け入れるべきだという気もします。
それにしても、このレベルで番組作りをする真意はどこにあるのでしょう。
そもそも製作者の素養がこの程度のレベルなので、必然なのでしょうか。
あるいは、この程度のレベルの視聴者の興味を掴むため、あえてこうしているのでしょうか。
地元に協力を断られて撮影ができなくなったという報道がありましたが、
番組に対して私と同じような感想を持ったからではないかと思います。