三太夫の「おれのいうことは正しい」

「株式投資」「将棋」「動物」をこよなく愛する頑固なひねくれ者の悠々自適な晴耕雨読生活

竜王戦、激震……


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非常にショックで「鉛を飲んだような」とはこういう心持ちを指すのだろうなと実感しています。

報道から知ることができる顛末は、以下の通りです。

 

1、三浦九段について、対局時(終盤)に頻繁な離席があることと、

実際の指し手がソフトと一致することが多いという指摘が、他棋士から挙がった。

 

2、将棋連盟の聞き取りの結果、三浦九段は

「他の部屋で休んでいただけで、ソフトは使用していない」と回答。

 

3、三浦九段は疑義がかけられた状態では竜王戦に出場できないとして、

竜王戦を含む当面の公式戦への不出場の意向を将棋連盟に伝えた。

 

4、将棋連盟は正式に休場届を提出するように求めたが、

三浦九段が拒否したため、年内の出場停止という処分を科した。

 

将棋連盟が三浦九段を処分したから竜王戦に出られなくなったのではなく、

逆に、三浦九段が所定の休場手続きを拒否して竜王戦を「ボイコット」する姿勢を示したことに対して、

処分が科されたということのようです。

 

私は、将棋ファンとして三浦九段は好きな棋士のひとりですし、

その為人(ひととなり)も知っているつもりです。

三浦九段は、棋士の中でもことさら将棋に対するストイックで真摯な姿勢で有名です。

私は、三浦九段が聞き取りに対して回答されたことが真実であると信じています。

 

頻繁な離席という点で言えば、対局相手はかなり気になるのかもしれませんが、

他にも該当する棋士はいると思います。

また、頻繁な離席があったのは「終盤」であり、その際の指し手がソフトと一致するということですが、

「終盤の指し手がソフトと一致する」とは「正確に詰み筋を発見している」ということです。

ソフトが人間にない独創性を発揮するのは中盤戦ですから、

終盤戦で正解が限られている(ほぼ一つしかない)状況では、

指し手がそれと一致したからと言って、不自然とは言えない気がします。

ということは、何か発表されていない他の証拠があってしかるべきですが、

重い気持ちになっているファンに対して、それを示してほしいです。

スマートフォンにしても、使用状況の履歴は後から調べることができるのではないでしょうか。

 

三浦九段があえて「ボイコット」した理由については、

疑義をかけられたこと自体に対する屈辱感があったのではないかと想像します。

先の通り、三浦九段は「将棋道」を追求するようなストイックな姿勢ですから、

そのプライドは極めて高いというのが当然です。

対戦相手に疑義を持たれて、聞き取りをされ、そして仮にスマートフォンの提出を求められなどしたら、

プライドがひどく傷つくのはよくわかります。

ただ、ソフトをめぐっては新しい規制が発表されたり、

棋士同士でも疑心暗鬼にならざるを得ない微妙な時期であることも確かです。

「李下に冠を整さず」

ファンとしても、疑義をかけられること自体を三浦九段が屈辱的に感じていることは想像できますが、

是非、疑義を否定するための毅然とした行動をとって頂きたいです。

 

ここまで事態が進んでしまった以上、疑義が晴れても円満な解決という雰囲気にはなり得ませんし、

二日後に始まる竜王戦の雰囲気にも、甚大な影響が出ます。

 

最後に再度述べますが、私は三浦九段を信じています。

しかしながら、今回の件で心にのしかかっている鉛の重みには、ちょっと厳しいものがあります。