世間を見渡すと、コロナ禍の現状について正確に把握していない人が多くて驚かされます。
くだらないワイドショーを視聴するのも一興ですが、
専門家でない芸能人の御高説をいくら拝聴したところで、必要で正確な情報を得ることはできません。
(感染症の専門家ではない)山中伸弥先生がわかりやすく解説して下さっていますので、
まずは皆がその内容を理解すべきだと思います。
一番重要なのは、「終息」に至るシナリオが『以下の3つしかない』ということ。
1、コロナウィルスが季節性の性質を持っていて、夏に自然終息する。
2、大半の人間が感染して集団免疫状態になる。
3、ワクチンや治療薬ができる。
“1”の可能性は低くなっているようですので、残るは”2”か”3”しかありません。
また、現状では、国を上げて「感染者を増やさない」努力をしていますので、
“2”のケースを目指す場合とは逆行していることになります。
ということは残りの”3”しかありませんが、これが実現するためには1年以上かかると、山中先生は指摘されています。
日々の感染者増加人数が報道され、その「減った」「増えた」「横ばいだ」での一喜一憂が目立ちますが、
上記の内容を理解していれば、これが『ほとんど無意味』であることがわかる筈です。
感染者の増加が止まり、少しずつ減少に転じ始めたとしても、
「その調子でそのままフェイドアウトして、めでたく終息」というシナリオは上に含まれていません。
感染抑制によって新規感染者が減っていったとしても、
その延長線上で「日本中のあらゆる人間の体内、そして体外で生きているウィルスが同時にゼロになる状況」が、
実現性する可能性は乏しいからです。
では、現在の感染者数を増やさない努力は何のためになされているかと言うと、医療崩壊の阻止。
重症化した人の治療が滞らないようにするためです。
つまり「感染者数の増加抑制」とは終息を目指す抜本的な解決法ではなく、
抜本的な解決法である”3”が登場するまでの時間稼ぎに過ぎません。
「緊急事態宣言の延長」云々という話も聞きますが、
そもそもが5月6日までにどうにかなるという話ではなく、
現在の状態(=緊急事態宣言)が1年以上続くだろうというのが、山中先生の指摘するところなのです。
個人的には、方針を180度転換して、上記”2”の集団免疫達成を目指すのが賢明だと考えています。