昨日の報道によると、GPIFの10-12月期の運用実績が14兆8039億円の赤字だったそうです。
この記事の報じ方について、無知な人を無様に踊らせようとする愉快犯的な意図が見え隠れするのは私だけでしょうか。
あるいは、執筆者も実は踊りたい側であって、本気の大真面目で主張している可能性もあったりして。
そういった踊り子達の中には、ヤトウのセイジカセンセイも含まれる訳ですが。
レベルの低い人達が勝手に踊るのは構わないのですが、その影響でこちらにもとばっちり被害が及ぶのは御免被りたいものです。
因みに、2年前の同時期は過去最高の運用益でした。
そもそも長期運用なのに、特定の3ヶ月のみの運用成績を切り取って論じるなど、初級者の最たる特徴です。
今回の記事を読んでみると、利子配当収入は8462億円だったとのこと。
ということは、含み損は、
14兆8039億円 + 8462億円 = 15兆6501億円
だったということでしょうか。
その含み損のうち5.4%は、利子配当で相殺できていることになります。
微々たる数字とはいえ、変動する含み損益とは違って、受け取った利子配当は確定利益です。
月日とともに確実に蓄積されていき、「負けない確率」が高まることになります。
これが長期投資の重要なポイントではないでしょうか。
このあたりの要素を考えずに、GPIFの運用結果を論じる軽率な人間にはなりたくないものです。
ただし、GPIFの長期運用がうまくいっているとしても、
年金資金のほとんどは右から左へ、徴収するのと同時に支給してしまう自転車操業になっていて、
運用に回しているのは僅か1割なんだとか。
なので少々利益が出ても、あるいは損をしても、ほとんど大勢には影響がありません。
ちょっと興ざめです。