少し前に、「裏切りのサーカス」という映画をテレビで観ました。
映画は、ほとんど「パニックもの」か「ミステリー・サスペンス」しか見ないのですが、
映像を見てストーリーを把握するのが苦手なので、特に後者のジャンルの場合、
一度見た後でネット上の解説を拝読するのがお決まりになっています。
しかしこの映画の場合は、普通の人が観ても南海ホークス(©豊川七段)という難敵だったそうで。
確かに、見終わった後の感触でいうと、過去に見た映画の中でもトップクラスの五里霧中感でした。
欧米の映画の場合、知っている俳優でないと顔を覚えられないという致命的な困難があります。
本作の場合、主役のゲイリー・オールドマンしか知らなかったので、無謀が過ぎます。
場面を変えて2度目以降の登場の際、同じ人物だと気がつけないのではストーリーを追える道理がありません……。
加えて本作では、主要登場人物の呼称が名前、苗字、
そして密かにつけられたコードネームと、3種類もあるのでお手上げです。
主人公の苗字に関しては、最後までそれが主人公の苗字なのかどうか確信が持てませんでした……。
ネットで探してみると、映画関係の方が書かれたようですが、
非常に詳しい解説をして下さっているサイトがあり、それを熟読した結果、
かなり内容を理解することができました。
1度見て五里霧中だった映像の中に、それだけの内容が入っていたとわかって驚きです。
その上で2回目に挑んだ結果、95%くらいは理解することができました。
そこで始めて感想が湧いてきた訳ですが、独特の抑圧された雰囲気や、
登場人物のキャラクターが良くて、かなり満足できる面白い映画でした。
邦題は完全に独自なのですが、”Tinker Tailor Soldier Spy”という原題の方が合っている気がします。
マザーグースからの引用ということで、
日本人にはピンとこないから邦題には採用しなかったんだと思いますが、
内容の理解にも少し役立ちますし(このコードネームのことも、初見では理解できませんでした)、
こちらの方が雰囲気もいい感じです。
劇中、イリーナという役名のソ連のスパイが出てくるのですが、
スキー女子ジャンプには、イリーナ・アブバクモワという上位選手がいます。
イリーナというのはロシア人女性の一般的な名前なのか、とわかった一方で、
きつめに見える目元が両者で似ていると思いました。
ロシア美人の特徴なのでしょうか。