残念ながら、渡辺竜王は「頓死」したと思います。
先に羽生三冠が言及された「疑わしきは罰せず」とは真逆の立場を取り、
公人としての渡辺「竜王」にはあるまじき行動を取ったようです。
どう考えてどう行動するかは、個人の自由です。
例えば橋本八段であれば、どのような言動をしたとしても、
御本人の品性が失われるだけで、誰にも迷惑はかけません(不快感はかけますが)。
渡辺竜王の場合、私人としての渡辺「九段」であるならば、どう行動しても構いませんが、
責任のある公人、渡辺「竜王」なのですから、その言動には常識と品位が厳密に求められると思います。
今回の場合、常識的な立場は明らかに「疑わしきは罰せず」であり、
状況証拠に依存して個人的な考えを持っていたとしても、
それを「竜王」としての行動の根拠にするのは考えられない愚行です。
今回の将棋連盟の稚拙な対応については多くの疑問がありましたが、
将棋連盟にそうせざるを得なくさせた張本人が渡辺竜王なのであれば辻褄が合いますし、
その責任の重さは計り知れません。
渡辺竜王は常々「合理的」であることを標榜されていますが、
その合理性もほとんど破綻してしまっています。
自分の考えを最も直接かつ正確に世間に伝えることができるブログという手段を持ちながら、
なぜ週刊誌やスポーツ紙を介して発信するのでしょうか。
内容が曲解され、誤解を生む可能性が高いことすらもわからないのでしょうか。
実際、羽生三冠もそれがきっかけでコメントを出されました。
今となっては、当初ブログや週刊誌で述べていた、
「大変な事態に『なってしまいました』」という記述や、
「連盟自体の存続さえも危うくなると思った……」
という白々しい発言の意図が全く理解できません。
将棋は天才だけど、他の一般常識には欠けている。
以前なら微笑ましく面白いエピソードで笑うことができましたが、
今回の件に関しては「一般常識に欠けているから」で笑って済ませるレベルではないと思います。